世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




どうしよう、と思っていたら。
急に左隣に座っていた京子が立ち上がって



「そんなのだめよ。もしあのジンクスが本当だったら───…」



最後まで言い切る前に、はっと京子は我に返って言葉を切る。









「「ジンクス?」」



声をハモらせて首を傾げる詩優と竜二さん。
2人の反応からして……あのジンクスを知らないのだろう。




「……私、やっぱり授業戻るわ」




京子は紅茶の缶を片手に、くるりと後ろを向いて。
そそくさと去っていく。




「き、京子…!!」




私は慌てて立ち上がり、すぐに京子の後を追う。




なんでだかわからないけど……
いつもの落ち着いた京子じゃない、ということは私にもわかる。




なんだか焦ったような、いつもと違う京子だった。