…どうか、川に落ちませんように。




そう思っているが、ギリギリのところにあるため変に緊張して手が震えてしまう。




…大丈夫
大丈夫。




きっと取れる。




そう思いながら指先にリングが触れて、それを指先で私のほうへと少しずつ動かして。

…やっと、それを手に掴むことができた。





「…取れたっ!!」




それは確かに私の手の中にあって、キラキラと輝いている。

ほっとひと安心。




「見つかってよかった…」


「よかったです」




倫也と康さんも安心した表情を浮かべて、私は「ありがとうございます!!」とぺこりと頭を下げた。




それから、どこからか聞こえてくるバイクの音。
その音はだんだん近くなってくる。





止めてある康さんの車の隣に止まった1台のバイク。
そのバイクには2人の人が乗っていて…。





その2人がヘルメットをはずすと見えた顔。
1人は竜二さんで、もう1人は……










─────…詩優。