それから思い出すのは……
川に飛び込んで、詩優に助けられたこと。




…そうだ。
詩優……詩優はどこに……




「…し、ゆ……は?」




近くにいる京子と明日葉に聞いてみる。
すると、2人は表情を曇らせて。




…なにか、嫌な予感がした。




「…しゆ……どこ?」




聞くのが怖かったけど、聞いてみると…




「詩優は……まだ、起きてないの」




返ってきた言葉。




…うそだ。
詩優……詩優………っ




私はすぐに重い体を動かして、起き上がる。
酸素マスクをはずしてベッドをおりようとしたところで




「まだ寝てなよ!!!!」




と明日葉に止められる。
でも、私はここで寝てることなんてできなくて




「しゆ…どこにいるの…!?」




と聞いた。
明日葉は悲しそうな表情をしながらも「隣の病室だよ」と答えてくれて、私はすぐに隣の病室に向かった。




何度も倒れそうになる体。
それでも詩優に会いたくて、会いたくて……





足を進めて行くと京子と明日葉が体を支えてくれた。
そして隣の病室へ入ると…。