花莉side




ゆっくり目を開けた。

視界はぼやけて定まらなくて、目を擦る。
すると、聞こえてきたのは…




「花莉!?」




京子の声。




「え!!!花莉起きたー!?」




続いて聞こえたのは明日葉の声で、2人が視界に写り込む。




「良かった……」


「もう!!心配したんだからーー!!!!」




京子も明日葉も、なぜか目に涙をいっぱいに溜めてほっとしたような表情に。




…何が…あったんだっけ。
……っていうか、ここはどこ…?




起き上がろうとしたら、体が重くて痛い。




「まだ起き上がっちゃだめよ…!!」




京子に止められて、私はベッドに戻される。
きょろきょろと目だけ動かして部屋を見てみると、私はベッドの上にいることがわかって。





なにか口元に違和感を感じて、手を動かして触れてみたら…ついているのは酸素マスク。





ここが病院なんだと理解した。