「花莉!!!!!!!!」






俺はすぐに立ち上がって彼女のあとを追おうとしたが、乾いた音が耳に届いて足に痛みが走る。





それでもそんな痛みも気にしる暇はなくて、体を動かして。
柵を飛び越え、真っ暗な川に飛び込んだ。





川は思った以上に深く、水面から顔を出すが花莉の姿はない。




…彼女は泳げないから、溺れたという可能性が高いだろう。




この暗い水の中、俺はすぐにまっすぐ潜って花莉を探した。


見えない。
何も見えないけど、必死に潜るしかない。花莉が落ちたと思われる、この場所を。




ただ、俺の指が花莉の身体に触れることを祈るだけだった。






花莉、すぐ助けるから。
すぐ助けるからそこにいろよ。





頼むから……
俺にまた笑顔を見せて……





祈りながら潜り続けると、手に触れたのは…
人間の足のようなもの。

ぐいっと引っ張って引き寄せれば手のようなものが触れて。





この手の主が誰なのかすぐにわかった。
いつも繋いでいるこの手を、俺は忘れるわけがない。