世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





痛くて、苦しくて、涙が止まらない。
助けてほしいけど、誰にも助けてほしくない。




詩優や冬樹くんが動くことで2人が傷ついてほしくない。
だから私が耐えなくちゃ……




私はできる限り体を丸めてお腹を守った。
このほうがお腹を蹴られないと思ったから。




でも、俊は止まらなくて再び私の髪の毛を掴んで拳を振り上げる。





…殴られる……!!




ぎゅっと強く目を瞑ったら、








『俊、まだ殺しちゃだめだよ。最後はあの場所、って決めてるでしょ』





聞こえてきた関根さんの声。
その声で、俊の拳は止まったみたいで私に当たることはなく…。




「…そうだった。今から連れてく」




俊はそう返すと、「おい!2人を運べ」と誰かを呼んで。
部屋のドアが開く音がしてゆっくりと目を開けると、スーツを着た男性2人組が入ってきた。





「花に触るな…!!!」




冬樹くんはぼろぼろの体で必死に起き上がってまた私を庇ってくれる。
すると、スーツを着た男の人たちは拳銃を冬樹くんに向けて…。




「冬樹くん…!!私はもう何されても大丈夫だから…!!」




このままじゃ冬樹くんが撃たれてしまいそうで、私は大きな声でそう言う。