俊を見た瞬間、体が小刻みに震え出すのがわかった。
『関根!!花莉は傷つけるな…!!!!!俺はなんでもするって約束するから…!!』
詩優の必死な声が耳に届く。
そんな声を聞きながら俊は一歩一歩こっちへと近づいてきて…
「俊…!!花に何かしたら許さない…!!!!」
冬樹くんは傷だらけの体を必死に動かして、私を庇うように前に立つ。
「お前は邪魔なんだよ、冬樹」
俊は拳を振り上げて、容赦なく思いっきり冬樹くんを殴る。
「冬樹く……っ」
冬樹くんはドサっと床へと倒れ…。
私は必死に起き上がろうとした。
だけど、急に俊に髪の毛を掴まれて……
バチンっ!、と乾いた音がしたあとに頬に痛みが走る。
続いてお腹を思いっきり蹴られて……
昔の記憶が蘇る。
俊に暴力を振るわれていた、あの頃。
「やめろ…っ」
冬樹くんは俊の足首を掴んで止めようとしてくれるが、俊は止まるわけもなく……。
冬樹くんを殴って、私の体を何度も何度も蹴った。



