…気のせいだ。
だって、関根さんは同じクラスで…私が仲良くしてもらってる子だもん。




絶対聞き間違えただけ。




「…だ、誰がこんなことを……?」




震える声で冬樹くんに聞いた。
すると、返ってきたのは




「俊と…関根 菜々子だよ……
関根さんは小学校の時、“妃芽乃 菜々子”だった…」




まさかのことだった。




冬樹くんは確かに同じ名前を言った。俊だけでなく関根さんの名前を…。

しかも……“妃芽乃 菜々子”って…。




え?




関根さんが…こんなことを?
なんで?
なんのために?




しかも、小学校の頃の苗字は“妃芽乃”だった…!?





頭が混乱する。
何も理解できない。




「小学校の頃、妃芽乃 菜々子は花と同じクラスだったんだけど……覚えてない?
俺は花と仲が良かったから、たまに関根さんと話す機会があったんだけど……」




冬樹くんに聞かれても私の脳内の思考回路は停止状態。
聞こえてはいるけど、何も考えることができなかった。