私は確かさっきまで病院に……
お母さんのところにいたはずなのに…
なんで、ここに…?
さっきまでのことを思い出してみると、ズキっと頭が痛む。
それから思い出したのは…
そうだ…。
お母さんの病室にいたら知らない男の人が入ってきて……急にネックレスを引っ張られて、首が絞まって苦しくなったんだ。
そのあとは頭を強く叩かれて、誰かが笑うのを見た気がする。
「花!痛いところはない!?」
冬樹くんの声が聞こえて、私は首を動かして目を合わせた。
彼はすごく焦った表情で私を見つめるけど、冬樹くんのほうが傷だらけで心配になってくる。
冬樹くんもこんなに怪我をさせられて、誰かにここに連れてこられたってことだよね!?
「私は大丈夫だけど…冬樹くんこそ大丈夫!?」
「俺も大丈夫だよ…!!」
あまり大丈夫には見えないけど、今はこの状況を何とかしないことにはなにもできない。
「冬樹くん!ここがどこだかわかる!?」
「俺も連れてこられたからここがどこかわからないけど……
これは全部、俊と関根 菜々子の企みなんだ…」
耳を疑った。
だって、今、私が知っている人の名前が冬樹くんの口から聞こえたから。