詩優side





中学生組と合流した頃、京子からかかってきた電話。




『花莉のお母さんが事故にあって、病院に運ばれたみたいなの!!!』




聞こえてきたのはまさかの言葉で、俺はすぐに竜二の家にいる花莉のもとへと向かった。




すると、




「ど、どうしよう…詩優……お母さんが……」




彼女は震えていてパニック状態。




「こっちは俺たちに任せて、詩優は妃芽と今すぐ病院に向かうといい。
バイクは裏にあるから使え」




竜二はそう言って、俺にバイクの鍵を渡してくれて。
俺と花莉はすぐに外へと出た。




バイクに乗って駅へと向かうと、花莉の震えが伝わってくる。
…すごく不安なんだろう。花莉のたった1人の大切な家族なんだから。





俺はできるだけ早くバイクを走らせて。
無事にたどり着いた駅。





族のやつらがいねぇか心配だったけど、幸いいなさそう。
すぐに切符を買って、俺と花莉は特急に乗った。





特急に乗っている時も、花莉は小さな体を震わせて泣いていて…。




「二度も花莉の母親は花莉を置いていなくなったりしねぇよ」




そう言っても花莉の涙を止めることはできず。
俺はただ隣で強く彼女の手を握っていることしかできなかった。