2人の会話が終わったあと、詩優は私の頭をぽんぽんと撫でてから哲哉さんと貴詞さんに目を向ける。
「哲哉、貴詞、頼むな」
2人に伝えると、「「はい!!!」」と返事をして。
「行きやしょう!!」
と哲哉さんが走り出す。
「…気をつけてね」
私は詩優に一言伝えてからそのあとを走ってついて行く。
本当はすごく心配だ。
今だってバイクの音が近くで聞こえる。
詩優たちはバイクは乗っていないし、もしバイクとぶつかったら……と考えると怖くなる。
行かないで、なんて言葉は総長である詩優に言えるわけもなく…
私が何か力になれるわけでもなく……
せめて迷惑をかけないようにと竜二さんの家へと走った。



