そのバイクは本当に、ここに向かって来ているのかもしれない。
「研修生組に連絡する」
竜二さんはすぐに自分のスマホを取り出して、電話をかける。
詩優はすぐに立ち上がって
「昇降口行くぞ」
そう言って、私の手を握る。
すぐに立ち上がると、みんなで走って昇降口へ。
その間もずっとバイクの音は近くなるばかりで、とうとう…
「雷龍ーーーーー!!!!!!!」
と大きな声で叫ぶ男の声が聞こえてきた。
…本当に、すぐ近くにいる。
なんで急に……学校なんかに…。
「玲央たち来たら裏門から出るか」
私たちはそっとしゃがみこんで、なるべく顔が見えないように昇降口のドアへと隠れる。
「ほんとにごめん。
サイバー攻撃を受けてたからそっちに気を取られて、ネットで雷龍のことが書かれたページを見つけるのに遅れたの…」
京子はしゃがみこみつつも鞄からパソコンを取り出して、話しながらキーボードを操作。



