世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





何も力になれないことが悔しい。
ただ『どうか無事に終わりますように』と神様に祈りながら京子を応援していた私。




すると、どこからか聞こえてくるバイクが走る音。
その音はだんだん近くなってくる。




バイクの音が1台とかならまだ気にならないのだけど……その音は何台も、複数あるような気がして。







「今すぐここを出ないと…!!」




京子はパソコンを操作する手を止めて、大きな声でそう言った。




「え!?なになに!?」




詩優、竜二さん、倫也の3人は一気に真剣な表情になり、明日葉はくるりと後ろを向いて京子を見る。





私も京子をじっと見つめると





「説明はあと!!いいから早くここを出ないと…!!多数の暴走族がこの学校に乗り込んでくる…!!」





京子はそう言ってパソコンを鞄の中にしまう。




ぼ、暴走族が学校に乗り込んでくる!?




予想もしていなかった言葉にびっくり。
そして聞こえてくるのはバイクの音。その音はさっきよりも確実に近づいてきていて…。