そういう人たちは詩優が追い払ってくれて、なんとか教室までたどり着いた。
私が教室に入ると、しーんと静かになる教室。
さっきまで、みんな話していたはずなのに。
…いつも通りの日常はなくなって、居心地が悪い。
「おはよー!!花莉!!」
静かな教室の中で、大きな声で私に挨拶をしてくれる明日葉。
「おはよ~、ひめちゃん」
「妃芽、おはよう」
「おはよう、花莉。迎えに行けなくてごめんね」
続いて倫也、竜二さん、京子の3人も挨拶してくれて。
「おはよう…!!」
私も挨拶を返して自分の席へ。
大人しく座ると、くるりと後ろを向いた京子。彼女が口を開いて何かを言おうとしたら
ヴヴヴ、とをたてて振動するスマホ。
振動したのは机に置いてある京子のスマホだ。
昨日と同じように京子はすぐにパソコンを机に広げて、素早くキーボードを操作。
…きっとまた、雷龍の情報が狙われているんだ。



