「ありがとう」、と言ってからハンカチを受け取って。
涙を拭っていたら、
ビーーーーーーーーー!!!!!
と突然響いた大きな音。
こんな大きな音が鳴るなんて思ってもいなくて、飛び跳ねた心臓。
びっくりしすぎて……涙がすぐに引っ込んだ。
「ちょっとごめん」
京子は一言そう言ってからその場に座り込むと、自分の鞄の中からパソコンを取り出す。
それからそれを膝の上に置いて、素早くキーボードを操作。
京子はすごく真剣な表情で…。
…さっきの音は、京子のパソコンと関係のあるものなのだろう。
「また、か?」
竜二さんが京子に声をかける。
京子はすごい勢いでキーボードを操作しながら
「うん。どうやら複数の人に狙われてるみたいなのよね、雷龍の情報」
と答えた。
雷龍の情報が狙われてる…!?
だから、あんな大きな音が鳴ったの!?
「俺も手伝うか?」
「もう終わるから大丈夫そう」
京子がそう言った数秒後、キーボードを操作する手が止まって、息をつく。
あの数秒で終わったのだろう。



