それから急いで教室を出て、走って倫也のあとについて行く。



「倫也…っ!詩優に何があったの!?」



胸がざわつく。

もしかして大怪我したんじゃないかとか、何か族の争いがあったんじゃないかとか、いろいろ考えてしまう。



「見た方が早いから!!」




倫也はそう答えるだけで私の不安は募るばかり。

見た方が早いって、なんだろう……




とにかく必死に足を動かして、倫也のあとについて行った。




全力で走って、階段をのぼってのぼって、のぼって。




…一体どこへ向かっているんだろうか…




私の少ない体力はもう底をつきそう…。

徐々に階段を上るスピードが落ちていって、



「ひめちゃん!頑張れ!」




と倫也が隣で応援してくれる。

何だか笑っているようにも見えるけど…気のせい、だよね。




息を乱しながら、手すりにつかまって必死に階段を上ると、屋上のドアの前に到着。




…ここに、詩優がいるのだろうか。




倫也は私に息を整える時間さえくれず、がチャリとドアを開けた。


すると、そこにいたのは───