小学校高学年になるにつれてべったりすることはなくなったと思うんだけど……。

…今もお母さんに心配されていたんだ。




「詩優のおかげで友だちがたくさんできたんだよ…!!!」



もっと安心してもらうために私はお母さんに笑顔を向ける。




これは本当のこと。
詩優があの雪の日、私を助けてくれたから京子ともっと仲良くなれて、明日葉や倫也、竜二さん、雷龍のみんなと仲良くなれた。

詩優には本当に感謝でいっぱい。




「本当にありがとう、夜瀬くん」




お母さんは微笑みながら詩優と目を合わせて、そう言う。続いて私も詩優にお礼を言うべく隣にいる詩優のほうを向いて。




「ありがとう、詩優!!」

とお礼を言った。





「お礼を言うのは俺のほうです。
花莉にはいつも飯作ってもらったり、世話になってるので…。花莉にはいつも本当に感謝です」




俺のほうこそありがとな、と言って彼は私の頭を優しく撫でてくれる。




詩優がこれまで私にしてきてくれたことに比べたら、私は何も恩を返せていないのに…!!