3時間目終了のチャイムが鳴った数秒後、ガラッ!と勢いよく教室の扉が開く。



その大きな音のせいで私の心臓は大きく飛び跳ね、心臓が止まるかと思った。
というか今ので寿命が少し縮まったのでは…

なんて思いながら扉の方を見ると、




「ひめちゃん!!大変だ!!!」




倫也が血相を変えて大声で言う。



その大きな声でまた心臓が跳ね上がり、口から心臓が飛び出るかと思った。




ざわつく教室、集まる視線。
それを気にせずに、倫也はどんどん教室内に足を踏み入れて、私の席の前まで来ると




「詩優が大変なんだ!とにかく早く立って!!」




ぐいっと私の腕を掴む。

突然の行動、言葉に頭が追いつかない。




「詩優が大変なんだよ!ひめちゃん!」




必死に言う倫也の言葉を何度も頭の中で再生して、やっと理解することができた私。




…え?詩優が?



私は急いで立ち上がった。
倫也のこの表情からして、ただ事じゃないなにかがあったのだと思ったから。
それも詩優に…。