花莉side




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「ねぇ、知ってる?恋のジンクス!」

「恋のジンクス?
あっ、第二ボタンがどうのとかは有名だから知ってるよ!」




「第二ボタンね!それもほんとに憧れるけどさ……
この学校って学ランじゃなくてブレザーなんだよね……」

「……残念なことにね…。
これ以外に恋のジンクスってあるの?」





「あるよ!!」

「え、なになに」





「好きな人からネクタイをもらうと、その人と幸せになれるんだって!!」

「それ、ほんと…?」





「ほんとだよ!!一昨年ここの学校を卒業した女の先輩が片想い中の人からネクタイをもらって、見事に両想いになって、結婚したんだから!!」

「えっ!!!すごい!!!」





「それだけじゃないの!!これは違う先輩の話なんだけどね。
片想い中の人からシャツのボタンを学ランの第二ボタン代わりにもらったら、見事にカップルになったんだって!!」

「えーーー!!!すごい!!!でも、私……やっぱりあんまり信じられないなぁ」





「でも、やってみないとわかんないじゃん!?好きな人と両想いになりたいし!」

「……確かに。そうだよね!!!信じてやってみないと何も分からないし、何も始まらないよね!!!」












教室で、そんな会話を聞いた気がする。






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