世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ






桜がこの学校に入ってきたのは、4月の初めにわかっていた。
同じ学校にいるんだからいつかは桜に会うことになるだろう、と覚悟はしていたつもりだったけど……いざ、本人が視界に入ると動けなくなった。




思い出すのは昔の記憶。
最低最悪な、あの記憶。





自分が情けない。
一目見ただけでこんなに身体が硬直するなんて。

桜とはもう何年も前に別れてるはずのに、俺はまだ引きずってる。

…情けねぇな。





ただ桜のことを見ていたら、





「なんの騒ぎだ!?」





まさかの、教師登場。




俺の横を通り抜けて明日葉の元へと駆け寄るひめちゃん。
明日葉や桜に何か言ったり、教師にも何か言ってるみたいだったけど……















俺は最後まで見ていることしかできなかった。