世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「話は中で聞く」




彼はそう言ってくれて、靴を脱いで部屋の中へ。




お、怒ってるわけではなさそう…。
でも、詩優は顔に出さないだけで本当は迷惑だと思ってるんじゃ…。




ここまで来て心配になってくる。
『まだ一緒にいられない』って言われたとしても、この防犯グッズだけはみんなに渡しておきたい。




…本当は詩優と一緒にいたいけど。




詩優はリビングにさすまたを置いて、ビニール袋の中を見る。
そのビニール袋の中にはさっき買ったドアロックやヘルメット、防犯ブザー。





「…こんなに買って」
詩優が小さく呟いたのを私は聞き逃さなかった。





「わ、私がカードキーをなくしたせいで危険な目にあわせて本当にごめんなさい。

私はやっぱり詩優が、みんなが心配で…いてもたってもいられなくて……ホームセンターに連れてってもらって、防犯グッズを買ってきたの」





これを買ってきた理由もきちんと説明。
詩優が次に言う言葉にドキドキしていたら…





「これ、ここの部屋のぶんだけじゃねぇだろ」





彼は袋の中を見て、次に私と目を合わせる。