世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ






エレベーターが最上階に到着して、部屋の前で足を止める。




そこで思ったこと。
今、詩優は部屋にいるのかどうか。もちろんいないという可能性もある。




…いなかったら、先に奏太くんたちのところに行こう。奏太くんたちもいなかったら、康さんのところに行こう。




康さんもいなかったら……
最上階の部屋で待機?




と、とりあえず部屋に入ろう。




カードキーで部屋の鍵を開けて、部屋の中へと足を進めようとしたら……
すぐに彼の姿が目に入った。




詩優は私を見て驚いている様子。




それもそうだろう。
詩優には何の連絡もしていないし、私の右手にはさすまた3本、左手には大きなビニール袋を持っているんだから。




彼は玄関へと来て、




「…小動物の警備員さん?」




と聞いてきた。

…小動物の警備員!?
な、なんですかそれは!!





「ひ、妃芽乃 花莉です…っ!!」





大きく返事。
小動物でも警備員でもないからそう言ったんだけど、詩優は「ふっ」と笑いだして。





私が持っていたさすまた3本とビニール袋を持ってくれた。