「本当に大丈夫?私も部屋まで行こうか?」
京子はそう言ってくれるけど、さすがにこれ以上お世話になるわけにはいかない。
「大丈夫…!!本当にありがとう、京子」
笑顔を向けると、京子は「またいつでもおいでね」と優しく言ってくて。
車は発車。
私は車が見えなくなるまで大きく手を振って見送った。
結城家には本当に感謝。今度お礼に何かお菓子でも買って届けよう。
ポケットからカードキーを取り出して、エントランスのドアを開けて。自動ドア通ってエレベーターへ。
…詩優、怒るかな。
詩優にわがまま言わない、って…困らせないって決めたのに。
結局私は大人しくしていられない。
もし、私のせいでみんなが危険な目にあっていたら……と考えると怖くなる。
一刻も早く買ってきたものを渡さなくては。



