「もちろん俺は知らないフリをしたんだけど、殴りかかってきて……。あ、この怪我は情けないことに俺が油断してできただけだからね」
冬樹くんはそう言ってまっすぐに私を見る。
…それが、怪我の理由。
……私のせいだ。冬樹くんはもう暴走族をやめて真面目に働いてるのに、私が冬樹くんと関わったりしているから…。
「花、俺のことは何も気にしなくていいから。
それよりも……今、危険なのは花だ。あいつらは何者なのかはわからないけど、とにかく気をつけて」
冬樹くんがそう言ってくれてた時、「お待たせしました」と注文したものが運ばれてきた。
倫也の唐揚げとポテト、それから私のプリンアラモード。
…すごく美味しそうだけど……私はスプーンに手を伸ばせなかった。
冬樹くんは優しいからそう言ってくれるんだ。
…危険に晒してしまったのは紛れもなく私なんだ。
「…本当にごめんね」
そう謝ると冬樹くんは
「族をやめても失恋しても、花とは従兄妹だから。関わるのは絶対にやめないよ」
と優しい笑顔を向けてくれた。



