嘘をつかれたから、ちょっとした嫌がらせ。これだったら氷が多すぎて、ドリンクがほんのちょっとしか入らない。しかも、氷のせいですぐに薄くなりそう。
私はアップルジュースをコップに注いで、「早く早く」と倫也を急かす。
「ひめちゃん、すこーししか入らないんだけど」
コップにサイダーを注いだ倫也。
私の作戦通りほんの少ししか入らなかった。
「早く戻ろう!!」
詩優と冬樹くんが何かを話し出す前に戻りたくて、私は倫也の腕を引っ張ってソファ席へと戻る。
2人は飲み物を飲んでいるだけで一言も話していないかった。
気のせいか、少しだけ空気が重い気が…。
ほんとになんで2人でいるのか
と不思議に思う。
詩優の隣に座って2人の顔をじっと交互に見つめたら、口を開いたのは冬樹くん。
「もう夜瀬には言ったんだけど、これは花に関わることだからちゃんと言うよ」
…私に関わること?
なんだろうと思って次の言葉を待つと冬樹くんは息を吸って。
「…一昨日の夜、知らないやつらに囲まれて『妃芽乃花莉はどこにいる?』って聞かれたんだ」
それを聞いて思わず息を呑んだ。



