世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





…そ、そうだったのか。
最初から仲良くなるのはやっぱり難しいよね。私でも最初はすごく緊張した。




「は、話す練習はしていたんですけど……予想以上にいっぱい人がいて…無理でした…」




悲しそうな声でそう言った乃愛ちゃん。
かなり落ち込んでいるのだろう。




「少しずつ頑張ろう…!!応援してる…!!」




最初から普通に話せるのは難しいから、慌てないでいい。
乃愛ちゃんの頭を撫でてあげると「頑張ります…!」と言ってくれた。





久我も話せなかったみたいだし…
私もできる限りみんなの力になれたらいいな








なんて思ったら、少し遠くでとある人物2人を見つけた気がして私は足を止めた。





「あれ、詩優じゃん」




倫也がそう言って、その人物の1人が詩優だと確信に変わる。
詩優と何かを話しているのは……






黒髪で、高身長で、私が昔からよく知る……
冬樹くん。