世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ






「部屋に侵入してきた野郎が『宮園慶一と槇村海斗に依頼された』、って言ってた」




詩優がそこまで言って拳を振り上げた時に、宮園さんは顔を青ざめながら必死に口を開く。




「そ、そんなことしてませんよ…っ!!!だいたい“マキムラ”って誰ですか!?」


「…とぼけてんじゃねぇ」






「と、とぼけてませんよ…っ!!!!!私だって早死したくはないので……!!!!
私は本当に何もしてないです!!!!!神に誓ってそう言えます!!!!!」





宮園さんは泣きながら詩優にそう言って……。
詩優は宮園さんの掴んだ胸ぐらを離した。





…宮園さんがあんな依頼したわけじゃなかったら、誰があの侵入者に依頼なんてしたんだ。




あの男が嘘をついていた……?でも、嘘をついていたんだったら宮園さんと海斗さんのことをフルネームで言えるなんて……。





「…誰かが2人の名前を使った、という確率が高いのかもしれない」





隣では竜二さんがそう呟いた。