「花莉。もうこんな時間だし、今日は寝よ」




カードキーを探していたら、後ろから聞こえてきた詩優の声。
時計を見ると、深夜1時半を過ぎたところだった。




時間が過ぎるのは早い。




「ご、ごめんね。詩優は先に寝てて…」


「起きたら、一緒に探そ。だから今日はもう終わりな」




優しくそう言ってくれる詩優。
だけど、私はこのままじゃ安心して眠ることができない。




「も、もう少しだけ……」




そう返したら、詩優は開けっ放しの私の部屋の中へと入ってきた。
私に近づいてきたと思ったら、肩と足に手を添えて…。




何かと思ったら、身体が浮いた。




「!?」




いわゆる、お姫様抱っこ。
詩優は私を抱えたまま部屋を出て、電気を消すと寝室へと移動。





「し、詩優…っ」





声をかけても途中でおろしてくれなくて、寝室のベッドの上でやっとおろしてくれた。