でも…
「花莉、やっぱりいたんだ」
俊は私に気づいたみたいで後ろから声が聞こえてきた。
足が止まりそうになっても、詩優に強く手を引かれて歩く。
「そいつにまだ体売り続けてんの?まぁ、花莉は援交好きだもんな」
耳に届くのは私を馬鹿にする言葉ばかり。
詩優はぎゅっと私の手を強く握ってひたすら俊を無視。
…早く、この場からいなくなりたい。
私は詩優に手を引かれながら震える足を必死に動かした。
絶対に振り返らない。
振り返りたくもない。
そう思ったけど……
「俊!!お待たせ!!」
とある女の子の声が聞こえた瞬間、私は足を止めて。
確認するために後ろを振り返った。
すると、見えたのは……
関根さんが俊と腕を組んでいる姿。



