花莉side




約束のデートの日。
綺麗なお花を買ってから、詩優のバイクに乗って連れてきてもらったのはお墓。




綺麗なお花に、お墓…ときたら、お墓参りだろうか。




まさか…、詩優の…

なんて思った時に彼は私の手を取って。





「花莉に俺の母親と悠兄に会ってほしくてさ」





そう言って歩く詩優。

詩優が私を連れてきたかった場所で、詩優の大切な人たちに会わせてもらえる。




なんだかすごく嬉しい。
私のことを信頼して、想ってくれているから連れてきてもらえた、ということだろう。




ちゃんと挨拶しなくては…!!




私はお花を持って、詩優は手桶に水を汲んで、柄杓を持って 。すれ違う人に会釈をしながらお墓へ。




少し歩いて、詩優が立ち止まると。
目の前には“夜瀬家”と彫られた墓石があった。





お墓にはすでに供えられている綺麗なお花。
墓石も綺麗で、もう誰かがお墓参りに来てくれたあと。