それでも動かない2人に久我はため息をひとつ。
それからもう一度口を開く。



「空木さん、これは空木が入りたい場所で空木と一緒にいられて、しかも友だちができるチャンス。そのせっかくのチャンスを棒に振るんだ。
それじゃ一生友だちなんてできないから。まぁ、そんなことは俺には関係ないけど」




久我の声に空木さんは、




「入ります!!!!!もちろん雑用でも何でもしますので入らせてくださいっ!!!!」




まっすぐに右手をあげてそう言った。
それから空木さんは何も言わない空木の手を取って、手を上げさせる。





反対の手には久我の手もとって、同じように手を無理矢理上げさせると




「玲央も!渉も!一緒に入ります!!!!!」




と大きくアピール。




さっきまでの迷いは消えたみたいだ。
久我のおかげで。




「…乃愛、ほんとにいいの?」




空木がそう聞くと




「玲央と離れるのはもちろん嫌だけど……、何も行動しないで諦めるのも嫌だから……
玲央も我慢しないで。自分の気持ちに素直になって」




と返す空木さん。