詩優の口角が上がる。
「それでいいよな?」
詩優が誰かにそう聞くと、屋上のドアを開けて出てきたのは…。
竜二さん、倫也、明日葉、京子。
それから…空木さん。
みんな、今までの話を全部聞いていたのだろうか。
「賛成だ」
「俺もいいと思うよ~」
「認める、けど!!!今度シュークリーム奢ってよねー!!!」
「私もいいと思うわ」
4人は賛成。
「花莉は?」と詩優に聞かれて、私も大きく頷いた。
「研修生でももちろん空木のことは守るし、玲央も安心だろ。
どうする?玲央、久我、空木。研修生として入るかはお前らが決めて」
詩優が3人にそう言うと、空木さんは目に涙をいっぱいにためて。空木のほうへと駆け寄る。
「玲央…っ!」
「……乃愛」
「玲央がずっと願ってたことだから……玲央はもちろん入るよね…!!」
空木さんは空木に笑顔を向ける。
涙目の空木さんだけど、心から喜んでいるみたい。
でも、少し引っかかるのは…。
“玲央は”、というところ。



