空木は、本当に……本当に雷龍に入りたいと思っていたんだ。
いつもだるそうにしているし何を考えているのかわからなかったけど…。そう思っていたことは本当だ。
…私は雷龍のことについて口を出したらいけない。
みんなにはいつもお世話になっているわけで、困らせたいわけじゃない。そんなわけじゃないけど……空木を黙って見送ることもできなくて。
詩優に声をかけようと思った、その時。
「研修生、からだったらいいんじゃねぇの」
声を出した詩優。
「もちろん、姉の空木と久我も一緒に」と付け足した。
ピタリと足を止める空木。
そ、それって…。
それって…!!!!!
私は詩優と空木を交互に見る。
「…今の幻聴?なんかケンシュウセイって聞こえたんだけど」
空木は背を向けたまま、小さく声で聞く。
「幻聴じゃねぇよ」
「…シユー、それほんと?」
「ほんとだって。“研修生”から“メンバー”として昇格できるかはお前らしだいだけど」



