そんな私を見て空木は「嘘下手だねぇ」と言いながらケラケラ笑う。
…また、この笑い方。
本当にムカつく。
「お前、何企んでんの?」
詩優はため息をついてから空木にそう聞く。
「俺はただ雷龍に入りたいと思ってるだけで何も企んでないよ~?」
「企んでるから近づいてきたり、喧嘩売ってきたり、弁当作ってきたりしてんだろ」
「この弁当は仲良くなりたいから作ってきんだって」
「近づいてきたり、喧嘩売ってきたりすんのは早死してぇから?」
「そんなんじゃないって~」
「じゃあなに」
詩優のその質問に空木は笑っているだけで答えない。
空木さんからさっき聞いたように、空木が詩優を本当に気に入ったんだったとしたら……
もしかして、この全ての行動は……
「空木は構ってほしいからこういうことするの?」
私は最後の一口のプリンを口の中へと入れて、飲み込んでからちらりと空木を見た。



