世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ






私は、はっと我に返って詩優の背中に隠れる。




…空木玲央、なんて男だ。
プリンを使うなんて…!!!




そう思っても手に持ったプリンを食べないでずっと見ていることはできず…。プリンをすくって口へと運ぶ手を止められなかった。




…このプリンは本当に美味しい。
私が今まで食べたプリンの中でもかなり上位にランクインしそうなくらい。




「ん~、俺は人と仲良くなる方法がわからないからねぇ。ネットで調べたら“心を掴む前に胃袋を掴め!”って書いてあったから実践してみただけだよ~」




空木は詩優の言葉にそう答えて、「うまい?」と私に聞いてくる。




心を掴む前に胃袋を掴め、って…。
いったいなんなんだ…それは…。




このプリンはただ利用されただけってこと!?




「美味しくないよ…!!!」




本当はすごく美味しい。
でも、プリンを利用された怒りが込み上げてきて素直に認めることはできなくて。





プリンを食べながらそう返した。