状況が理解できない。
空木には怪我がなさそうだから決闘はしなかった…んだよね?
でもなんでお弁当?
「タイマンする気で屋上来たらさ、空木がいきなりその弁当箱勧めてきた。
ほんとは骨折って静かにさせてやろうと思ったんだけどさ……『弁当食わないと一生つきまとう』とか脅された」
説明をしてくれた詩優。
それで…脅しのお弁当?
一生つきまとわれるのは……確かに嫌だ。
空木なら有言実行しそうだし。もし、詩優と決闘をして空木が負けたとして、諦めてくれるとも思えない。
「このハンバーグ自信作だから食べて~」
空木は私に楊枝を手渡す。
その手渡されたものがまさかの、可愛い猫のキャラクターの楊枝。
…え?
思わず手渡された楊枝をじっと見つめてしまう。
意外すぎて固まっていたら、ずいっと近づけられたタッパー。
その中をよく見てみると、美味しそうなおかずがたくさん入っていた。
ハンバーグは1口サイズに切れていて、その上には小さな星型のチーズがのっている。



