足をできるだけ早く動かして、屋上へ。
屋上のドアを開けたら決闘が終わっていたらどうしよう
空木が怪我をしていたらどうしよう
空木が詩優を怒らせていたらどうしよう
いろんな心配があったが屋上のドアを開けた。
すると、目に入ったのは…。
「これも自信作~」
空木が手に何かを持って、詩優にそれを勧めている姿。久我は離れたところでだるそうに立っている。
それからすぐに私に気づいた空木は
「ちっこい雷龍ちゃんも俺の自信作食べて~」
そう言って大きくてを振る。
…自信作?
…食べる?
え?
意味がよくわからないが駆け寄ってみると、お弁当のおかずが入ったタッパーを手に持っていた。
どうやら、さっきからそれを詩優に勧めていたらしい。
…お弁当?
なんで?
「シユーさっきから俺に毒味させるんだよ~。何も毒なんて入れてないのに~。酷いよねぇ」
空木は「どーぞ」と言いながらたくさんのおかずが入ったタッパーを私に向ける。
…どーぞって?
食べて、ってこと?
え?



