…私にとっても空木の第一印象はかなり最悪。いきなり痴漢されたんだから。

でも、空木さんのことを大切に思っていることを知って、今はほんの少しだけ気持ちが変わったような……気がする。




「仮に雷龍に入れたとして、空木乃愛が危険になる。倫也みたいに兄妹で距離を置けば危険にはならないが…。
それ以前に空木玲央は何か企んでるかもしれないだろう」




竜二さんはそう言って、眉間にシワを寄せる。




その言葉で引っかかったこと。
“倫也みたいに兄妹で距離を置けば”って……。倫也、妹と距離置いてるの?




確かに、距離を置いて関わらなければ妹を危険晒すことことはないかもしれない…。




けど、倫也はどんな思いでそうしたのだろうか。





「玲央は何も企んでいません…っ!!!!」





突然、後ろから聞えてきた女の子の声。
この声は知ってる声で…。





くるりと後ろを振り向くと、その声の主である空木さんがいた。