詩優はその声にピタリと足を止めて、後ろを振り向くと空木と目をあわせた。
「…お前なぁ。空木をまた危険にさらすつもりか?今ならことが収まれば普通に戻れんのに。
玲央、お前自身も空木を守りたかったんじゃねぇの?」
「俺にとって乃愛は1番だからねぇ。もちろん守りたいよ。
だから、俺と久我も雷龍に入れて~」
「意味わかんねぇ」
行こ、と言って詩優は私の手を引いて今度こそ屋上のドアを開ける。が、…。
「ちっこい雷龍ちゃんのおっぱい、触ったことあるんだけどさ~
口が滑っておっぱいのサイズ他の男に言っちゃうかも~」
再び後ろから聞こえてきた空木の声。
その言葉にピタリと足を止めた詩優。
…今、なんてことを言ってくれたんだ、この男は。
わ、私のむ、胸触ったことを詩優に暴露して……しかも、サイズを他の人に言っちゃうかも、って!?
私は自分のスリッパを脱いで空木に投げつけてあげようかと思ったが、それを詩優に制されて。



