電気を消したのはせめて、少しでも見えずらくなるように。
でも、電気を消しても……やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。
「お、お邪魔します…」
小さくそう言った声はあまりの緊張のせいで裏返りそうになって危なかった。
真っ暗になったお風呂場。
浴槽に彼の姿があるのが分かる。表情までは見えないけど……。
壁を伝いながら中に入って、ドアを閉めて。
シャワーの方へとゆっくり足を進めて、座り込んだ。
「あ、あんまり見ないで…ね」
小さな声でそう言って、私はシャワーを使う。
温かいお湯が体を濡らす。
温かいけど、なんだか今は暑いくらいに感じる。
詩優を意識しすぎて、恥ずかしくて…。
もうすでに私の体は温まっているのだろう。
シャワーで髪を濡らして、シャンプーへと手を伸ばす。
暗くてよく見えないけど、いつも置いてある並び順的にたぶんこれがシャンプーだろう。



