「先に風呂入って来い」




部屋に帰ってから、詩優が一番最初に言ったこと。



なんでだか私と目を合わせてくれない彼。
やっぱり……怒っているのだろうか。




私も一緒に行く、って言ったことや玄武に捕まってしまったこと…。




ちゃんと謝りたいのに、目も合わせない彼は私と話したくなさそう。




私は…もう詩優と気まずいのは嫌だよっ




ぎゅっと詩優の袖を掴んで私は口を開いた。




「お風呂覗きに来てもいいよ…っ!!」




精一杯言った言葉がそれ。
詩優も、私もびっくり。




な、なんてことを言ってしまったんだ…っ!!




そう後悔してももう言ってしまった言葉は言わなかったことにはできない。




「あ、違うの…!!!覗きに来ていいよって言うのは……の、の、覗いてもいい…かもだけど…!!」




必死にどうにか誤魔化そうと焦りすぎて、意味がわからないようなことばかり口から出てしまう。