ガチャっと音がして外れたのは空木の腕輪。
「おぉ~!シユーすごいねぇ」
そう言った空木は自由になった手でぱちぱちと拍手。
普通に詩優のことを呼び捨てで呼んでいる。さっきもだけど…。
「空木乃愛とはいい加減話つけてぇから…。俺とも協力しろよ、空木」
詩優はそう言って私にヘアピンを返す。
「俺もその方がありがたいねぇ」
「んじゃあ明日、ここに連れてきてくんね?」
「おっけー、って言いたいところなんだけどね。乃愛にちっこい雷龍ちゃんと手錠で繋がれたとこ見られて『最低!あんたなんか嫌いよ!死ね!』って言われちゃったからさ~。無理かもしれないんだよねぇ」
面白おかしく言う空木。
…空木さんが言ったことは少し、というか、だいぶ違かったよう気がする。『最低』とは私と空木に言っていたけど…。
「無理だったらそっちのクラスまで行く。だから空木も来い」
もちろん花莉も、と私と視線を合わせた詩優。



