声が震えてしまっても、涙が溢れてしまっても、私は今までのことを全部詩優に説明した。
空木さんのことでずっと不安だったこと、
空木と手を組んでいたこと、
全部全部。
彼は手錠を外すために手を動かしながらだったけど、相槌を打ったり、頷きながら、真剣に私の話を聞いてくれて。
全部話し終わると
「馬鹿花莉」
と一言。
怒られて当然。
手錠が外れたら怒られることを覚悟したが、ガチャっと私の腕輪が外れたら強く抱きしめてくれた。
…温かい。
久しぶりに感じる詩優の温度、匂い。
全てが心地いい。
ずっとこうしてたい、と思って私も詩優の背中に手を回そうとしたら。
「おーい、俺のこと忘れてない?2人の世界に入ってないで俺のもはずしてよ~、“シユー”」
空木の声が耳に届いて、私は慌てて彼の胸を押した。
詩優が外してくれたのは片方の、私の腕輪だけ。空木の腕輪はまだ外れていない。
い、今、一瞬空木がいるの忘れてた…。
目の前で……恥ずかしい。



