「…わかった。さんきゅ」
詩優がそう言ったところで電話は終わり。
「久我はもう学校にいねぇって」
私と空木にそう言った詩優。
…そんな……。
…どうすれば……。
「外す方法はやっぱりこの2つのどっちかかなぁ。
俺とちっこい雷龍ちゃんがじゃんけんして負けた方が手首を切り落とすか……久我に言われた通り玄武の倉庫に行くか」
どうしようねぇ、と考える空木。
…確かに、久我がもう学校にいないとなるとその方法しか……。詩優にバレてしまう運命だったのなら誰かに見られてでも久我の後を追っていれば良かったのかな…。
そう後悔してももう遅い。
「ふざけんな。そんなのどっちも却下に決まってんだろ」
詩優はそう返して空木に視線を向ける。
「じゃあ他に方法は~?」
「俺が開ける。それ貸して」
詩優は私へと手を伸ばして。
口を開く前に私が手に持っていた、細長いヘアピン2本をするりと奪った。
…え?
今、詩優……俺が開ける、って言った?ヘアピンで?え?



