世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ









試行錯誤しながら手錠を壊すために空木といろいろやってみたけれど…。
何をやっても壊れず、とうとう6時間目終了のチャイムが鳴り響く。




あとは、帰りのかホームルーが終われば下校の時間。さすがに放課後までは……みんなに隠しようがない。




急がないと…




「もう、さ。じゃんけんで負けた方が手首切り落とせばいいんじゃないかなぁ」




めんどくさくなったのか、怖いことを言い出した空木。
しかも「ナイフならここに」とポケットに入っていた折りたたみ式ナイフを私に見せる。




どうしてそんなものを持ち歩いているのか……
怖くて聞きたくもない。




「絶対やだよ…っ!!!」


「え~」




「いいから空木も手を動かして!!このままじゃもう隠し通せないよ…っ」






私は必死に手錠を壊そうとした。
チェーンの部分に石を打ち付けたり、鍵穴に細い木の枝や持っていたヘアピンを入れて鍵を開けようとしたり。





…それでも、全然開かない。