世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「誰にも見られないように鍵奪いに行かないと……」



そう言葉にするのは簡単だか、かなり難しい。
だいたい久我がどこにいるかもわからないんだから。




「久我のことだからそう簡単に返してくれないと思うんだけどなぁ」


「…これで校舎の中歩くわけにもいかないし」






「あーね。もし見つかったらちっこい雷龍ちゃんは裏切り者扱い、俺はリンチにされるってわけかぁ。
じゃあ玄武の倉庫行く?そこに行けば鍵もらえるみたいだし~」




軽くそう言った空木にびっくり。
やっぱり何を考えているのかわからない男。





「私が捕まったら、詩優に……雷龍のみんなに迷惑がかかるよ…」


「もちろんちっこい雷龍ちゃんは玄武に売ったりしないって~。鍵もらったらすぐ解放してあげる」





またまた軽く言う空木。
そんなことをしたら空木の立場が悪くなるのは目に見えてわかる。