「誰にも見られないように鍵奪いに行かないと……」
そう言葉にするのは簡単だか、かなり難しい。
だいたい久我がどこにいるかもわからないんだから。
「久我のことだからそう簡単に返してくれないと思うんだけどなぁ」
「…これで校舎の中歩くわけにもいかないし」
「あーね。もし見つかったらちっこい雷龍ちゃんは裏切り者扱い、俺はリンチにされるってわけかぁ。
じゃあ玄武の倉庫行く?そこに行けば鍵もらえるみたいだし~」
軽くそう言った空木にびっくり。
やっぱり何を考えているのかわからない男。
「私が捕まったら、詩優に……雷龍のみんなに迷惑がかかるよ…」
「もちろんちっこい雷龍ちゃんは玄武に売ったりしないって~。鍵もらったらすぐ解放してあげる」
またまた軽く言う空木。
そんなことをしたら空木の立場が悪くなるのは目に見えてわかる。



