世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





…友だちが、ひとりもいない?
空木さんが?




あんなに元気で積極的な子だ。
それは信じがたいこと…。




でも、空木さんがさっき言っていた“玲央だけ”という言葉を思い出す。
他には誰も信じていないという言い方だった。




「言っとくけどこれ悲しい現実ね。好きになったオトコには積極的なのに、それ以外は消極的。
それに加えて乃愛はイタイとこあるから周りが話しかけても離れていくことが多いんだよねぇ」





嘘かと思ったけど…。今、空木が嘘をつく必要もない。
きっと、空木は私と詩優の仲がどうなっても興味はないだろうし…。





「…そうなんだ」




そう返してその言葉を信じた。




…だとしたら、他の生徒に言われる危険はないから、空木さんが詩優に会った時が危険だというわけ。




一刻も早くこの手錠をはずして、何事もなかったようにみんなのところに帰らなくちゃ。