空木と一緒にいるところを見られたから。
手錠で繋がれた姿を見られたから。
私の脳内はパニックを起こしている。
「…最低」
空木さんは呟くように言ってからすぐにお弁当を片付けて、この場を走っていく。
その後ろ姿が遠のいていくと、私は力が抜けたようにその場に座り込んだ。
…どうしよう。
空木さんに見られた。
もう、本当にだめかもしれない。
…どうしよう。
どうしよう。
何をすればいい?
何をすれば私は……。
「…屋上じゃなかったのか」
低くそう呟いたのは空木。
ちらりと空木を見上げると、なんだか少し傷ついた顔をしているように見えた。
「…これからどうしようかぁ。乃愛も、コレも」
空木もその場に座り込んで、手錠に目線を落とす。



