「ま、待って空木…!!」
私はそう言って空木を止める。
彼はその言葉にすぐに足を止めてくれて。
私は息を整える。
「どったの?ちっこい雷龍ちゃん」
「も、戻ろう…っ!!」
繋がれた手錠を引っ張って、私は空木を体育館裏に連れていく。
「鍵は?いいの~?」
そんな空木の声を聞きながら、体育館裏に向けて足を早く動かした。
そうしないと、誰かに見られてしまうから。
鍵が必要だということはもちろんわかってる。
でも、もし、校内に入って空木と手錠で繋がれた姿を見られたら…。
そう考えると怖くてたまらない。
誰かに見られれば噂になることは確実。
もし、京子や明日葉、竜二さん、倫也にでも見られたら……一貫の終わり。
みんなに知られたら詩優に伝わるのは確実。
私はみんなから裏切り者だと思われ、詩優には……
別れを告げられるに違いない。



