世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「ま、待って空木…!!」



私はそう言って空木を止める。
彼はその言葉にすぐに足を止めてくれて。



私は息を整える。




「どったの?ちっこい雷龍ちゃん」


「も、戻ろう…っ!!」





繋がれた手錠を引っ張って、私は空木を体育館裏に連れていく。




「鍵は?いいの~?」




そんな空木の声を聞きながら、体育館裏に向けて足を早く動かした。





そうしないと、誰かに見られてしまうから。




鍵が必要だということはもちろんわかってる。
でも、もし、校内に入って空木と手錠で繋がれた姿を見られたら…。




そう考えると怖くてたまらない。





誰かに見られれば噂になることは確実。
もし、京子や明日葉、竜二さん、倫也にでも見られたら……一貫の終わり。





みんなに知られたら詩優に伝わるのは確実。
私はみんなから裏切り者だと思われ、詩優には……






別れを告げられるに違いない。