その人が、なんで…ここに……。
まさか、まさか……!?
私を呼び出したのは空木の罠!?
なんて思ったが、
「なんでここにいるの?久我~」
そう言ったのは空木。
空木が呼んだわけでは…ないのだろうか。
いやいや、でも、演技かもしれないし…!!
なんでそんなに冷静なの…!?
私は必死に手首に付けられた手錠を外そうとした。
けれど……全然外れないし、久我渉は手錠を手放そうともしない。
「…空木」
久我が口を開く。
「ここ最近、こそこそ何してんのかと思ったら……雷龍の女捕らえようとしてたんだな。
あとは俺が玄武の倉庫までこの女連れてくから、お前は安心して休んでろ」
空木にそう言うとぐいっと手錠を引っ張って私を連れていこうとする久我。
「やだっ…!!!!」
連れていかれないように急いで手錠を外そうとするが、やっぱりはずれない。



